不本意ながらも魔法使い

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「おはよう、暁斗君。あれ、それ、暁斗君の飼い猫?」
「わぁ、大人しいね。可愛い」
 肩に乗った璃韻の姿を認めて集まってきた女子に、暁斗は曖昧な笑みを浮かべて肯定も否定もしなかった。




 こうして、また一つ、夜琴暁斗の異様さを際立たせるアイテムが増えてしまった。
 黒猫を肩に乗せた一匹狼。
 彼の日常をぶち壊した張本人は、もちろん璃韻であり。
 そして、彼がいつしか『魔法使い』と呼ばれる原因を作ったのも、間違いなく璃韻であるのだった。







「僕の日常カ〜ムバ―――――ック!」







 今日もまた、遠い夜空から、悲痛な心の叫びが響いてくる。


                                  終劇


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