春眠暁を覚えず
「ルカさん。俺、心の底から眠ったって実感したいんですよね」
春風の吹き込む教室で何ともなしにそんな事を言えば、読書を中断したルカさんが俺の背後に回った。
「…って、何してんですか!?」
「何って。眠らせてやろうかと思って」
無表情でそう言ってくるルカさんの手には、何処から持ってきたのか鉄パイプ。
「永眠じゃないですかッ!」
それの何処が問題なんだと、本気で問いかけてきたルカさんに、俺はもう言葉を返す気力すらなかった。
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