一難去ってまた一難!

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「一本も落とさんかったじゃろうな?!」

息を切らしたザイが、二人より少し遅れてマーナの家に着くと、扉の前で待っていたマーナの口から飛び出したのはザイが期待したような労いの言葉ではなかった。




「あぁ…!!」

ザイは不機嫌にそう答え、マーナの家の玄関先に薬草の籠を無造作に置く。



「なんじゃ、態度悪いのぅ…
……まぁ、ええ。中に入りな。」

部屋の中に入ると、リシャールが長椅子に座って待っていた。
ザイは、リシャールの隣に、そして、マーナはリシャールの真向かいに腰を降ろす。



「それで……話というのは何なんじゃ?
変化の依頼か?」

「いえ、マーナさん、実は…」

リシャールはマーナの元を訪ねた理由を簡潔に話した。
先程のことで機嫌を損ねたザイは、その横で腕組みをしながら黙ってその話に耳を傾けていた。



「おぉ…その男なら覚えておるぞ!
男前じゃったからな。」

「なぁ、婆さん!その男なんだが…」

「おまえに婆さんと呼ばれる筋合いはない!」

「……マーナ…さんよ。
その男は、なんで竜人に変えられたんだ?」

「それは竜人に頼まれたからじゃ。」

「そうじゃなくて…あんた、竜人になんて言って頼まれたんだ?」

「わしはそういうことには興味がないから知らん。
ただ、竜人はわしの欲しがるものと交換に、その男を竜人に変えてくれと言って来ただけで、わしはそれに応じただけじゃ。」

アーサーについての事情が聞かれなかったのは残念だったが、マーナがアーサーに魔法をかけた張本人であることは明らかになった。



「それで、ばあ…いや、マーナさん。
あんたがかけた魔法を解いてほしいんだけど…」

「そんなことならおやすいご用じゃ。
ただし……」

「ただし……?
わしはただでは魔法の依頼は受けん。
報酬をもらわねばな…」

マーナの瞳が怪しく光る…



「……で、何なんだ?
あんたのほしいものって…」

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