一難去ってまた一難!
3ページ/18ページ
*
「あぁ、いかにも、わしがラーナじゃが、なんだね?あんたらは…」
ザイが老婆にここに来た経緯を話した。
しかし、残念ながら、アーサーに魔法をかけたのはラーナではないということだった。
「じゃあ、もう一人の婆さんの仕業だってことだな。
その婆さんはどこにいるんだ?」
「婆さん、婆さん言うな!
マーナじゃ!
マーナは、わしやターナと違い、真面目じゃないからのう…
きっと、竜人となにか取引でもしたんじゃろうな。すまんかったのう…」
「それで、ラーナさん、マーナさんはどこに住んでらっしゃるんですか?」
「おっ、あんたはあいつとは違って礼儀正しいんじゃな。
やっぱり男前は礼儀正しいもんなんじゃなぁ…
実は、先日ふらっとマーナがやって来てな。
ロータリナの村に行くとかゆうとった。
なんでも、そこにしかない薬草を採りに行くとかゆうてな。」
マーナに礼を述べ、一行はグレゴラスの町の宿屋へ戻った。
「ラーナじゃなかったのは残念だったけど、これであんたに魔法をかけたのがマーナだってことがはっきりしたから良かったじゃないか。
後はマーナをみつけるだけだもんな。」
そう言いながらザイがアーサーの肩を叩く。
「ありがとうございます。
これも皆さんのおかげです。」
「本当に良かったですね。
マーナさんが行ったというロータリナの村へは、馬車で三日もあれば着きますから、徒歩だと…」
「まぁ、一週間みとけば大丈夫だろう。」
「あんたがいなけりゃ三日だけどな…」
そんな想いは、ザイの心の中だけに納めておいた。
「では、明日の朝、早速出発しましょう!」
話はすぐにまとまり、一行は眠りに就いた。
【次へ】/【前へ】